年中行事の復権

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平成21年 7月・七夕あそび

【実施日】2009.07.05

1) やってみたこと 古民家で【七夕あそび】をやってみた。

その昔、七夕の日には、誰もがささやかな願い事をしました。
ふと気がつけば、七夕のお祝いをしなくなっただけでなく、
いつのまにか願い事そのものまでしなくなっているようにも思われて・・・

そんなわけで、みんなで古民家に集まって、
久しぶりの「七夕あそび」を楽しんでみることとなりました。


1)古民家「ゆうど」でお出迎え。

今回の「七夕あそび」の会場は、東京・目白にあるギャラリー「ゆうど」。
目白通りから一歩入った路地裏にある築80年の古民家は、
ここが東京であることを忘れてしまうほど、閑静で清楚な空気に包まれています。
ここではいまだ水道をひいておらず、生活水はすべて湧き水。
その井戸水で作った梅サワーをウェルカムドリンクとして用意したり、
天の川をイメージした本藍染の反物を、吹き抜けの天井や梁に巡らせたりと、準備に大忙し。
すると、突然、大きなオニヤンマが入ってきて、
まるで会場の様子を確認するかのように室内をしばし巡回。
勝ち虫蜻蛉のお墨付きを得て、お客様を招き入れる準備が整いました。


2)和文化研究家・三浦康子さんのお話。

20畳以上ある部屋は、参加者でほぼ満席。
いよいよ「七夕あそびの会」の始まりです。
ちぢみの浴衣を粋に着こなして登場した三浦康子さんが、
七夕についてのさまざまな話題をレクチャー。
なぜ「七夕」と書いて「たなばた」と読むのか、
なぜ「笹」に願い事を吊すのか、
考えてみれば謎だらけの風習を、ひとつひとつ丁寧に紐解いてくださいました。
(詳しくは、ゲストメッセージのページへ)


3)折り紙で七夕の飾りつけを、折ってみる。

続いて、三浦さんのレクチャーを受けながら、
みんなで七夕のお飾りを作ります。
五色(青・赤・黄・白・黒)の色紙で、吹き流しや財布、
千羽鶴や天の川に投げる投網などを折っていきました。


4)短冊に願いごとをしたためる。

サトイモの夜露ですった墨で短冊に願いごとをしたためるのが、本来の習わし。
サトイモの葉は、神からさずかった天の水を受けるものといわれ、
その水で墨をすると文字も上達すると考えられてきたからなのだそうです。
今回は、夜露がうまくたまらなかったので、
「ゆうど」の井戸水をサトイモの葉ですくって墨をすることに。
正座して折り紙を折る。
墨の匂いを確かめながら筆を取る・・・
こうしたことを実際にやってみると、
幼い頃の記憶や体験が呼び戻されてくるから不思議です。
みんなでワイワイ言いながら短冊を書いていると、
各人の願い事もどんどん膨らんでいくのでした。


5)庭に出て、笹の木に飾りつけ。

それぞれの願いが込められた短冊やお飾りを、庭にしつらえた笹の枝に飾ります。
「家族みんなが健康で幸せでありますように」「収入がどんどん上がりますように」
「自分の夢がすべてかないますように」「女子力があがりますように」・・・
などなど、願いごとは十人十色。
先に三浦さんから「笹は神様の依り代。笹の木を目印に神様が降りてきて、
みんなの願い事をかなえてくれる」という話を伺っていた矢先、
今度は縁側に大きな黒いアゲハチョウがひらひらと舞い降りてきたのでした。
ここに集う人びとの願いを、神様に伝えてくれているようにも思えた、
本当に不思議なハプニングでした。

そして、縁側のつくばいでは、三浦さんの手ほどきで、手洗い・口すすぎの作法を。
「ゆうど」の冷たい井戸水で、身も心もスッキリ清めて、再びお座敷へと戻ります。


6)七夕の料理をいただく。

七夕の行事をひととおり終え、いよいよお楽しみのお料理の時間。
今回のご馳走を作ってくださったのは、料理研究家の松下和代さん。
朝穫りのトウモロコシ、葉付きの枝豆、食用ほおずきのおいしかったこと。
さらには、青・赤・黄・白・黒の五行五色の食材を用いて、工夫を凝らしたお料理の数々。
まさに七夕のお飾りのようで、食べるのがもったいないくらいでした。
そして、メインは天の川をイメージしたそうめん。
梶の葉っぱの上に置かれた谷中生姜を、麺つゆに浸しながらいただきます。
古来、七夕の日には、梶の葉に和歌を綴っていた習わしがあったとか。
梶の葉を「紙」に、谷中生姜を「筆」に、そして麺つゆを「墨」に見立てた、
松下さん・三浦さんの本当に粋な図らいでした。
(詳しくは、お料理レシピのページへ)


7)七夕飾りに別れをつげて。

七夕の願い事で心もいっぱい、やさしい料理でお腹もいっぱい。
一期一会の出会い、かけがえのない時間と場所をともにした参加者のみなさんは、
七夕の思い出と花束をお土産に、三々五々、帰途に。
この会での出会いと願いが、みなさんの幸せにつながりますように!


8)そして、後日。

みさなんの願いがいっぱい詰まった短冊とお飾りは、
後日、赤坂の氷川神社に奉納いたしました。
これで、みなさんの願い事は、全て神様の元に届いた・・・と思います。

平成21年 7月・七夕あそび

【実施日】2009.07.05

2) ゲストメッセージ 古民家で【七夕あそび】をやってみた。


日本に残る年中行事は、
わたしたちに幸せをもたらしてくれる
自然や祖先からの贈り物です。

和文化研究家・三浦康子


子供の頃はこころ躍った七夕も、大人になると何となくやり過ごしてしまいがちです。しかし、七夕をはじめとする日本の年中行事には、大人になった今だからこそわかること、できること、楽しめることがたくさんあるはずです。まずは七夕の催しをきっかけに、年中行事の奥深さにふれて、日本人が培ってきたしなやかなこころと幸せを、実感してみてはいかがでしょう。

1)七夕の由来
古代中国の織姫と彦星の星伝説。
手習いごとの上達を願う乞巧奠(きっこうでん)。
日本古来の棚機女(たなばたつめ)の農耕神事。
この3つの行事が混じり合って、七夕行事は広まっていきました。
もともと宮中では、7月7日を「七夕(しちせき)」と呼んで祝っていましたが、日本古来の「棚機(たなばた)」の行事と合体して、字は「七夕」のまま、その読みだけが「たなばた」と呼ばれるようになりました。

2)七夕の楽しみ方
古来、神様は笹や松などを目印にして、現世に降りてくると信じられていました。 今でも家を新築する際の地鎮祭などで、四隅に笹の木を立てるのはそのためです。 成長が早く、すぐに青々とした葉を茂らせる笹の木の生命力が、「神様の依り代」たる所以とされたようです。
その笹の木に吊す七夕の飾りつけは、以下の7種類。 それぞれに、特別な意味が込められています。
(1) 五色(青・赤・黄・白・黒)の短冊→文字の上達・大願成就
(2) 吹き流し→厄祓い
(3) 巾着(財布)→金運
(4) 千羽鶴→不老長寿
(5) 紙衣(かみこ/折り紙の着物)→芸上達・厄祓い
(6) 天の川にかける網飾り→豊作大漁
(7) くずかご→倹約


3)七夕の行事食
七夕の行事食は、そうめん。これは索餅という供物に由来したものですが、 水に流れる麺の様子を、天の川や織り糸に見立てたものとも言われています。

4)織姫と彦星の見つけ方
東の空を見上げて「夏の大三角形」を探しましょう。
その三角形の下方にあるのが彦星(牽牛星=わし座のアルタイル)、向かって右斜め上にあるのが織姫(織女星=こと座のベガ)、左斜め上がはくちょう座のデネブ。その周囲に見える光の帯が天の川です。
新暦の7月7日はまだ梅雨が空けていませんが、旧暦の7月7日(現在の8月中旬頃)は、星がとてもきれいに見える時期。だからこそ、星に願いを託す、こんなロマンチックな行事が誕生したのかもしれません。



和文化研究家・ライフコーディネーター
三浦 康子 / Yasuko Miura

十人十色の暮らしを彩るために季節感溢れる情報を長年発信し、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブなどの登場回数は2500を超える。 総合情報サイト All About 「暮らしの歳時記」担当ガイド、「キッズgoo」の「こども歳時記」ナビゲーターほか連載も多数。 主な著作に『粋なおとなの花鳥風月』(中経出版)、『はじめよう!和のある暮らし』(PHP研究所)、『もっと!暮らしたのしむ なごみ歳時記』 (永岡書店)など。


平成21年 7月・七夕あそび

【実施日】2009.07.05

3) 植物レシピ 古民家で【七夕あそび】をやってみた。


夜空を流れる天の川。
そして「ゆうど」の湧き水。
水辺で出会う輝きを、植物に託して。

プランツアーティスト・木咲 豊


ギャラリー「ゆうど」のある目白は、昔から水のキレイな場所として有名だったらしく、目白の「白」は「水」に由来するという説もあるそうです。
天の川の「水」、ゆうどの「水」、そして植物の「水」。今回の室礼は、きらきら輝く「水」を縦糸に、そしてその水辺でデートする恋人達の歓びを横糸に、みずみずしいアレンジを紡いでみたいと思います。


(a)天の川の投げ入れ/五行五色【青】
風に揺らぐ水面をイメージして、青系の花だけを集めて投げ入れました。
主な花材:あじさい・鉄線・スケールグラス・千鳥草

(b)水辺の活け込み
花びらを敷き詰めた水盤に水をはり、透明感のある器に淡いピンクの花々を活けました。
主な花材:芍薬・笹百合・河原撫子

(c)七夕の出会い/五行五色【白】
一年に一度の出会いの歓びを、白い花ではじけるように表現。
主な花材:ゆり・グロリオサ・クルクマ・カラー・アンスリウム・蓮の実

(d)五行五色の投げ入れ【紫(黒)】
主な花材:鉄線

(e)五行五色の投げ入れ【赤】
主な花材:蓮

(f)五行五色五色の投げ入れ【黄】
主な花材:アイリス(黄)・大山レンゲ(白)など

平成21年 7月・七夕あそび

【実施日】2009.07.05

4) お料理レシピ 古民家で【七夕あそび】をやってみた。


一年に一度だけしか会えない。
そんな大切な気持ちを、
七夕のお料理に込めて。

料理研究家・松下和代


織り姫さまと彦星さまは、あまりにラブラブすぎて仕事が手につかず、その罰として、一年に一度しか会えなくなってしまったんだそうです。考えてみれば、もの凄く厳しい罰だと思う。今なら遠距離恋愛で、すぐに破局、ということになるでしょう。昔の人は、一年に一度、という時間を逆に楽しめたんでしょうね。「一期一会」・・・そんな感じをお料理に込めてみました。

七夕の行事食・そうめんをメインに、三浦さんからアドバイスをいただいて、
五行の五色(青・赤・黄・白・黒)を取り入れたお料理をご用意しました。

(a)七夕の行事食・そうめん
竹の筒に、日本各地の名産地からお取り寄せしたそうめんを盛りつけました。
本日は、富山県の「大門素麺」、小豆島「生手述べ素麺」、
奈良県の「三輪」、兵庫県の「丹頂素麺」などをご用意いたしました。
梶の葉っぱの上に置かれた谷中生姜を、麺つゆに浸してお召し上がりください。
これは、七夕の日に、梶の葉に和歌を綴っていた習わしがあったことに因んだもの。
梶の葉を「紙」に、谷中生姜を「筆」に、そして麺つゆを「墨」に見立てました。

(b)自家製梅サワー・葉付枝豆・とうもろこし・食用ほおずき
梅サワーは、紀州南高梅の有機栽培のものを利用しています。
本日は、「ゆうど」の湧き水割りでお召し上がりください。
枝豆は西船橋の枝豆研究会の葉付枝豆。
とうもろこしは、その日の朝、山梨で穫れたもぎたてのものです。
また、食用のほおずきは、なかなか手に入らない希少なもの。
愛知県三河地方からお取り寄せしました。

(c)五色のお料理【赤】トマトと鰹のタルタル
プチトマトの中に、鰹のタルタルを詰め込んでみました。
材料:トマト、鰹、タマネギ、オレガノ、ユズ入りポン酢、EXオリーブオイル

(d)五色のお料理【白】ごま豆腐
七夕の短冊の白をイメージして、ごま豆腐を。
材料:角濱ごま豆腐(和歌山高野山よりお取り寄せ)、生わさび、めんつゆ

(e)五色のお料理【黒(紫)】ナスとレバーのミルフィーユ仕立て
黒のお料理は、なすの間にレバーペーストを挟みこみ、ミルフィーユ風にアレンジしたもの。
材料:高知県産こなす、鶏レバー、にんにく、薄口醤油、からし味噌、シェリー酒、EXオリーブオイル、ローズマリー

(f)五色のお料理【青(緑)】マッシュポテト、チーズとアスパラの山椒風味
涼しい地域では今が旬のアスパラガス。山椒といくらが調味料です。
材料:ジャガイモ、チーズ、西京味噌、山椒、アスパラ、いくら、パプリカ

(g)五色のお料理【黄】カボチャと雑穀のコロッケ、オクラ添え
やっと会えた旦那さまを迎えるやさしい妻のお料理と言えば・・・コロッケでしょう!
材料:カボチャ、白味噌、オクラ、雑穀、卵、小麦粉、パン粉、揚げ油

(h)ミニハーブ鮨
ジェノバソースで味付けした、洋風のお寿司です。
材料:ご飯、ジェノバソース、りんご酢、砂糖、塩、サーモン、エビ、チャービル


料理研究家
松下 和代 / Kazuyo Matsushita

保育士、調理師、栄養士、食品アドバイザーと、勉強と経験を積み重ねてきた知識を活かし、自ら厳選した安心の食材で体にやさしい料理を考える教室「korokoro(ころころ)」を主宰。子育てママを応援するコミュニティサイト「ママコミュ」や、TV・雑誌等でレシピを提供するかたわら、児童館・保育園・乳児院・母子寮・障害者施設で食育指導などのボランティアも行う。


平成21年 7月・七夕あそび

【実施日】2009.07.05

5) 3SAIJIの会 古民家で【七夕あそび】をやってみた。


はじめまして。
3 SAIJIの会です。
いっしょに年中行事を遊びませんか。



3 SAIJIの会は、日本に伝わる「祭事 / 歳時 / 細事」の3つのSAIJI を見直し、楽しむことを目的に設立されました。年中行事は、自分と季節や自然・祖先とのつながりを再認識するためのひとつのツール。一年の間におこなわれる行事を現代的にアレンジしながら、それぞれがもつ本来の意味や歴史をこころとからだで実感すること。そして、同じ場所、同じ時間を過ごす仲間とともに、幸せを再発見することなどを目指しています。

【主な活動】
・年中行事の集いの企画 / 開催
 五節句を中心に、日本に残る年中行事を楽しむ会を開催します。
・年中行事や伝統芸能などの調査 / 研究
 日本各地による行事や風習の違いなどを、調査 / 研究していきます。
・情報発信
 開催した行事の模様などをレポートし、年中行事の楽しさを伝える情報を発信します。

【メンバー】(2009年7月5日現在 / 入会順)
・橋詰 敦夫:プランナー(明るい部屋)
・木咲 豊 :プランツアーティスト(明るい部屋)
・栗林 和夫:アートディレクター(Kuri+Graphic)
・栗林 幸子:野菜にこだわる料理人
・小針かなえ:編集&ライティング(ピノキオの花
・藤澤 正子:フォトレタッチャー

【次回予告】
・次回は10月初旬、都内の古民家にて「お月見の会」を開催する予定です。
・日時、場所、ゲストなど、詳細が決まり次第、明るい部屋Webサイトにてお知らせいたします。

・開催のご連絡メールを希望される方、ご質問などは、こちら