
2009年03月08日
誰もが知っている花なのに、
こんなふうに白い器にさりげなく飾っておくと、
実は誰にも気づかれない・・・
そんな控えめで可憐な花である。
うす紫の小さな小さな花びらに、
その端を恥じらうように丸めた葉っぱ。
野の花のような素朴な趣を持つこの花を、
もっと気軽にいろんな人に贈りたいと思ったりするのだけれど、
他ならぬこの花の名前が邪魔をする。
贈られた方は、「え、これって忘れな草? ということは、
もしかして私に気があるってこと?
えー、私を忘れるなって言われても・・・
どうしよう、面倒臭いわ。えーい、捨てちゃえ!」
みたいなことにならないだろうかと、
やおら心配になったりするのである。
大体「私を忘れないで」というお願いほど、
厚かましい欲望ってないんじゃないだろうか?
(それは太古のエジプト王と同じ欲望である!)
この花は、そんな厚かましさとは全く無関係に、
さりげなく、本当に慎ましやかに咲くのだ。
時には忘れな草という名前を忘れて、
ただその密やかな佇まいを楽しみたい。
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