- 名 称
- プラダ青山 Epicenter
- 用 途
- ブティック
- 所在地
- 東京都港区青山
- 設 計
- Herzog & de Meuron
+竹中工務店
- 撮 影
- 2008年10月
- 植 栽
- 苔
重層的に連なる緑色のガラスが、昼も夜も、艶めかしく光る。
ガラスという無機物を用いながら、
屈折率の異なる複数のガラスを複雑に配置させることで
どこかヌメっとした独特の湿気を感じさせる。
この湿り気のあるエロティックさは、
言うまでもなく「苔」のイメージである。
それは、互いを照射し合う「鏡」のように
向き合って配置された前庭の壁面が、
本物の苔で覆われているのを見れば、明らかである。
でも、いったいなぜ、苔なのか?
おそらく、Herzog & de Meuronは、
「苔」が日本の国歌「君が代」で、天皇を象徴する植物として
歌われていることを知っていたに違いない。
つまり、「苔」を「天皇制」の象徴として、
プラダ青山店に用いたかったのである。
しかし、それは決して天皇制を讃美するためでもなければ、
古くさい伝統として揶揄するためでもない。
ガラスと苔、都市と自然、先進性と天皇制・・・
相反するものを同時に併置する建築を作るための、
単なる記号として用いたかっただけなのである。
残念なことに、プラダ青山の苔は、あまり美しく定着できていない。
それどころか、竣工当初から比べて、年を経るごとに悪化してきている。
草盆栽などを作って売ったりする身としては、
ここの苔が元気かどうか、時折、無性に気になったりするのである。
壁面には、竹中工務店が誇る先進の緑化技術が用いられているはずなのだが・・・
やはり、苔がむすまでには「千代に八千代に」時間が必要なのだろうか。
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