009 東京デザインセンター

  • index
  • Next

名 称
東京デザインセンター
用 途
インテリアショールーム
所在地
東京都品川区東五反田
設 計
マリオ・ベリーニ
撮 影
2009年5月
植 栽
バラ

ゴタンダリア

2009年07月26日

上品でシンプルだが、威厳のあるファサード。
通りから斜めに切れ込んで走るため、真正面からはその奥が見通せない大階段。
そして、その頂上で待ち受けるミモ・パラディーノ作の馬のオブジェ・・・
徹底的に洗練された建築美を目の当たりにして、
東京デザインセンターを訪れた人は、たいてい、こう呟くことになる。

「う〜ん、五反田とは思えないほど、オシャレ!」

確かに、都内有数の歓楽街で名を馳せる五反田の、
数あるラブホテルとは一線を画すデザイン性である。

その、あまりにも五反田という文脈を無視したデザインに、
五反田人としてはかなり気恥ずかしい思いを抱きながら、
「うーん、これは五反田にあるイタリアだから、ゴタンダリアだね」
などと、くだらない照れ隠しをしてしまいそうになるのだが、
この建物の本当のオシャレさは、実は、その裏側にある。

急勾配に走る大階段を上りきり、
その頂上で待ち受ける馬のオブジェの後ろに回り込み、
ウッソウと植物が生い茂る小さな庭園の中の小道を分け入って、
ふと後ろを振り返ってみると、突然、
ズラっと並ぶ無数の鉢が目に飛び込んでくるのである。

至近距離から見上げる角度で立ち並ぶコンクリート製の鉢の行列は、
意外なほどに壮観で、思わず、「あっ」と声をあげてしまいそうになる。
(その驚きは、京都の三十三間堂で、回廊を回った瞬間に、
1000体もの観音立像が突然目に飛び込んでくる時の驚きと、
結構、近いものがある。)

ズラッと並ぶ鉢自体を建築的要素にしてしまうという発想は、
エドゥワール・フランソワの手によるパリのタワー・フラワーが有名だが、
ここ東京デザインセンターの方が、10年以上も前の作品なのだ。
1992年竣工といえば、まだエコなどが流行る前のバブル末期の建築だから、
もしも、こちらの方を桜田通りに面したファサードとして作られていたなら、
文字通り21世紀に通用するインパクトが持てただろうにと思われてならない。

ただ、ちょっと残念なことに、植栽のバラがほとんど虫に食われてしまっている。
もう少し手入れをすれば、もっと美しい花がズラっと咲き並ぶはずなのだが。

Leave a comment